感性豊かに、
絵付けを極める
西陣織など伝統工芸の多くがそうですが、京焼・清水焼は古くから分業制。釉薬を施し、焼成した器に、彩色する上絵付けからが絵付師の仕事です。現在は、善昇窯に制作をお願いしていますが、作りたいものをイメージし、上坂さんがデザインから起こすこともあるそう。
「すべての工程をひとりでできれば一番いいのかもしれませんが、どちらも極めるのは難しい。善昇窯に弟子入りする際に、師匠からは絵付けに専念するのでなければ、うちには入れないと言われました。どうしてそう言われたのか、年月を重ねてよくわかります。絵付けに取り組みながら、精度の高い器を作ることは、私にはできそうにありません」
絵付の工程を少しの間、そばで見せてもらうだけで、その言葉が理解できます。丸みのある茶碗に、花びらを一枚一枚、描き入れる。中心は小さく、外に向かって大きく。描き上がれば乾かし、工房にある窯で焼成。さらに背景の色や、金彩、銀彩を施せば、そのたびに焼成。途方もない手間と時間がかかります。